ピアノのあるある質問「ピアノは何歳からでも上達するのか?」
私はこの質問をされるたび、質問者さんの意図と期待している答えと探りながら、脳が高速回転(@_@)します。
- 「年齢による限界ライン」が知りたいの?
- 「自分の場合は上達するのか?」という意味?
- 「何歳からでも上達します!」と励ましてもらいたいだけ?
今回は、この質問に対する私なりの答えについて書いてみます。
で、私の答えは?
まず最初に、私の答えから書いてしまいますね。めちゃくちゃ正直なところを言います。
ピアノは何歳からでも上達します!ただし…
ピアノは何歳からでも上達します!もちろんですよ〜!!
ただし…
- 質問者が期待している上達スピードで
- 期待している地点(特定の曲が弾けるか?など)まで
到達できるかどうかは、なんとも言えません。
大人のピアノは「第二言語」として
自分自身が40才を過ぎてから、本気で英語を学びました。
その時の経験から感じたことは、『こどもと同じように学んでも、大人とこどもは上達のルートは違う』ということ。

幼いころから英語に触れていれば、ネイティブのような発音が苦労なく手に入ります。
ところが、ある年齢からは同じ環境を作ったとしても、ネイティブのような発音を目指すのは大変なことです。
同じ時間と努力を費やすなら『第二言語としての論理的なコミュニケーション』を目指すほうが、ネイティブ発音を手に入れるよりも時間対効果で良いのでは?と感じました。
ピアノにも似た部分がありそうです。
大人からのピアノは、こどもとまったく同じ方向性を目指すのではなく、『第二言語』として使えるようになれたら良い、という割り切りもアリでしょう。
この年齢でも『私は』上達できるのか?
この年齢でも『私は』上達できるのか?の意味だとすると、答えるのはなかなか難しいです。
というのは、質問が出るのはこんな時なのです。
- 体験レッスンの面談中に
- レッスンを始めて間もない生徒さんから
- たまたま知り合った人から雑談として
つまり質問された方がどんな人なのか?を、ほとんど知らない時。
人それぞれ環境も、もともと持っているセンスや肉体的条件も違います。差が出るのは、年齢だけではないのです。そして、こういったポテンシャルはすぐに分かるものではないのです。

逆に3ヶ月以上レッスンを続けている生徒さんから、こうした質問が出ることはほとんどありません。
おそらくですが、
「まだ上手くできないこともあるけれど、ポイントのようなものが見えてきた!この積み重ねでピアノが上手くなっていくのだろうな」
という道が見えてくるから、ではないかなぁ。
ピアノが上達する人の特徴
どんな人がピアノが上達するのか?というと、
- 時間軸が長い人
- 自分への期待値がちょうど良い人
着実に上達していくのは、時間軸が長くて自分に対して長い目で見られる人、そしてバランスの良い目標設定をしている人。
残念ながら、上達する前にピアノをやめてしまう人もいます。それは時間軸が短くて目標が高すぎる人。
『ぜったい⚪︎⚪︎を弾けるようになる!』という強すぎる願望は、ちょっと劇薬というか、要注意。
期待値と自分の現在地を比べて悲観的になり、挫折につながることがあります。
年齢を重ねたからこそ「なるべく早く上達したい」「無駄な努力になるなら、最初からやりたくない」と焦ってしまうのかもしれませんが、せっかちだと逆効果のこともあるのですよねぇ…
「この年齢」というのは、こどもからシニアまで!(◎_◎;)
「今からでもピアノは上手くなりますか?」の質問をする世代は、かなり幅広いです。
最近では大学生からシニア世代まで、まったく同じ質問をされました。
さらに言うならば「大人のためのピアノ教室」にする前のこと。小学5年生から「ピアノを始めるのは、もう遅いかもしれないけど…」なんて言葉を聞いた経験もありますからねぇ。
大人世代から見ると「いやいや、あなた十分若いでしょ〜〜!(◎_◎;)」という人でも、「今からじゃ、もう遅いかも」と思うらしいです。
【結論】ピアノを始めるなら来年より今年
ピアノは適切な方法で、時間を積み重ねていけば、誰でも何歳からでも上達します。
ただし『どのレベルまで行けるか?』は、ピアノを始めて続けてみないと分かりません。そして続けられることも才能のひとつです。
「時間の積み重ね」でしか手に入れられないものは、確実にあります。時間を積み重ねるためには、やはり若い時からのほうが有利です。

だからと言って、じゃあ今からでは遅い…と諦めてしまうのはモッタイナイ話。
教室の生徒さんから「もう10年、いや5年早く、ピアノを始めておくんだった」という言葉を聞くこともあります。
いやいや、『来年よりも、今年ピアノを始めて良かった!』のですよ〜\( ˆoˆ )