『ブルグミュラー25の練習曲』の4曲目「小さな集会」は、連続する3度と6度の和音の練習曲です。
先日この曲を弾いている生徒さんのレッスンがあり、スタッカートの連続3度に苦労している様子。
そこで「こちらの方が弾きやすいかも?一度試してみませんか?」と、楽譜にはない『指使い』の提案をしてみました。
今回は「小さな集会」で楽譜には書いていない、指使いの提案です。
私が弾きやすい指使いが、あなたにとっても弾きやすい指使い、とは限りません。ひとつのアイディアとして『これもアリなのね』くらいの感じで読んでくださいね\( ˆoˆ )
3つの難関とおすすめの指使い
2小節目、右手の連続3度のスタッカート(下降形)

出版社によって運指の指定はいろいろですが「弾きにくい…」と感じているならば、試してほしいのが次の指使いです。

右手の3度の和音の連続を「2の指と4の指」「1の指と3の指」の組み合わせで弾きます。3度の最後のドとミの音だけ「1の指と2の指」にします。
4小節目も同じ指使いで弾きます。
10小節目、右手の連続3度のスタッカート(上昇形)
10小節目には、連続3度の和音の上昇です。

試してもらいたいのが、次の指使い。

ここも「1の指と3の指」「2の指と4の指」の組み合わせで弾きます。次の小節のドとミは楽譜の指定のとおり、「3と5の指」のままです。
22小説目、26小節目も同じように、「1の指と3の指」「2の指と4の指」の組み合わせで上昇していきます。
13小節、右手の6度の連続
6度の和音の連続もありますね。

これも、出版社によって運指の指定はいろいろあるようですが、提案したいのは次の指使いです。

6度の下の音は、ずっと1の指。上の音「ファーミレ」が「5の指」「4の指」「3の指」で、「レードシド」は「5の指」「4の指」「3の指」「4の指」になります。
この指使いするメリットは、メロディである上の音がペダル無しでもレガートとして演奏できることです。
29小節目も、同じです。
ただし、この指使いは大人向けです。まだ手が小さいお子さんは、6度を「1の指」と「3の指」でつかむのは厳しいかも。。。
ヤマハの楽譜をお持ちの生徒さんがいたので、見せていただいたところ、この部分はほぼ似たような運指が書かれていました。

参考に…YouTube動画
YouTube参考演奏です。
解説した指使いで演奏しています。私にとっては、この指使いが一番弾きやすいです。
弾きにくさの原因と、楽譜による違い【マニア向けかも?】
ブルグミュラー25の練習曲はとてもポピュラーな教本ですので、各出版社から楽譜が出版されています。
4曲目の日本語訳の曲名は各社で違いがあります。
「子供の集会」「子供たちのつどい」「小さな集会」「こどものパーティー」など、ニュアンスが違いますが、すべて同じ曲です。

よくある楽譜の運指と、弾きにくさの原因
私がこどもの頃に使った音楽之友社版(約40年前に購入)の楽譜では、2小節目の運指はこう書かれています。

和音3つごとに「3の指と5の指」の指示のみ。
省略されている指使いも書き込んでみると、下のようになります。

この指使いを「なんか弾きにくいな…」と感じてしまうのには、原因があります。
指使いの組み合わせが和音3つごとにパターンとして変わるのが、4分の4拍子とズレてしまうために、拍の感覚が狂いやすいのですね。
その点、今回提案している指使いは、1拍ごとの単位で同じパターンが繰り返されているので、身体も自然に動きやすいでしょう。

ちなみに、また別の生徒さんがお持ちのヤマハ版では「2と4の指」の組み合わせで並行移動の運指が書かれているようです。

これが弾きやすいと思う人ならば、もちろんこれもアリですね。
軽やかなスタッカートで演奏できるならば、どの運指でも勉強になります!
同じ出版社の同じ見た目の楽譜なのに、指使いが違う!(◎_◎;)
私が4年前に購入した東音版と生徒さんが今年購入した東音版では、なんと指使いの指定が変更されているようでした。


写真上は4年前の版、下は最新の版。
上の楽譜では、まず「2の指と4の指」の並行移動の運指が書かれていて、「3の指と5の指」から始まる組み合わせの運指がカッコとして書かれていました。
最新版では、並行移動の運指は消えています。
こうしたことって、あるのですよねぇ…
同じ出版社の楽譜で、表紙などパッと見は何も変わっていないようでも、こうして中身が変化していることは「あるある」です。
並行移動の指使いは、
【おまけ】3度を使った有名曲を紹介
ピアノで3度の連続を、軽やかなスタッカートで弾くことも、なめらかなレガートで弾くことも、どちらも難しいです。
ブルグミュラー25の練習曲3曲目まで順調に進めてきたとしても、この4曲目で壁を感じてしまった人もいるでしょう。
でも、あきらめずに頑張って欲しいところ。ここで身につけた連続3度のテクニックは、この先とても役に立つんです!
なぜなら、3度を使った素敵なピアノ名曲はたくさん。
難易度順に3曲紹介します。ぜひステップアップしていって下さいね。
お人形の夢と目ざめ/エステン
🎵お風呂がわきました、のメロディとしておなじみの「お人形の夢と目ざめ」。冒頭に3度のレガートが出てきます。
難易度は初級。ブルグミュラー25の練習曲の後半あたりでチャレンジできるでしょう。

使用楽譜→ピアノ名曲110選グレードA
メヌエット ト長調/ベートーヴェン
こちらはもう少し複雑な連続3度です。ヴァイオリンでもよく演奏される有名曲ですね。
ブルグミュラー25の練習曲すべて終えて、もう少し頑張ってから演奏できるくらいの難易度です。初中級程度。

使用楽譜→ピアノ名曲110選グレードA
月の光/ギロック
ギロック叙情小曲集の「月の光」。さらに経験を積んだ頃にチャレンジしたい曲です。難易度は初中級。
右手だけでなく、両手を行き来する3度の連続が美しい、大人におすすめの曲です。

使用楽譜→ギロック 叙情小曲集
