新緑がまぶしく、風が心地よい5月。一年でもっとも快適な時期かもしれません。
今回は『5月にちなんだクラシック曲』を取り上げてみます。
季節を感じながら弾いてみるのも良し。こんな曲があるんだなぁ〜と聴いてみるのも良し。
ピアノ入門レベルから中級レベルまで、難易度も合わせて書きました。
この記事は、今後も曲を追加しながら更新するかも?
【入門】五月に/ベール
ベール作曲の「五月に」。
A-B-Aのシンプルな構成で、5月のさわやかさが表現されています。

両手のポジションは最初から最後まで変わりません。ハ長調で白鍵だけを使う、入門レベルにちょうど良いピアノ曲です。
左手の伴奏形♩ドミソやシファソに少し慣れてきたころ、チャレンジしてみると良いでしょう。
ヤマハピアノライブラリーのロマン派ピアノ小品集1に収録されています。
使用楽譜→ロマン派ピアノ小品集1
【初級】春へのあこがれ(五月の歌)/モーツァルト
モーツァルト作曲の歌曲「春へのあこがれ」。素朴なメロディが美しく、ピアノアレンジで演奏されることも多い曲です。
ベールの「五月に」と同じように、曲の構成はA-B-A。こちらも左手は♪ドミソやシファソの基本形です。
「五月に」と比べると、右手のメロディの範囲はオクターブまで広がり、黒鍵も使います。ワクワクとした感情をあらわしたメロディです。
やすだすすむ氏の編曲は、弾きやすいハ長調アレンジです。

「春へのあこがれ」は「五月の歌」とよばれることもあります。歌詞では花や緑あふれる、すばらしい「5月」を待ちわびているのです。
東京で『春』といえば3月から4月。5月はむしろ『初夏』のほうがぴったりする気がしますが…ドイツの5月はきっと『春』なのでしょうね。
使用楽譜→ピアノで楽しむベストクラシック
【初中級】五月の風/平吉毅州
邦人作曲家、平吉毅州(ひらよしたけくに)の「五月の風」。こどものためのピアノ曲集「虹のリズム」に収録されています。
「こどものための曲集」とありますが、「五月の風」は大人が演奏しても素敵な小品です。さわやかな風が吹きぬけるような曲想になっています。
左手から右手へと続くやりとりが、ゆれ動く空気感を出しています。

使用楽譜→虹のリズム
【中級】美しき五月に〜歌曲集「詩人の恋」より/シューマン
シューマン作曲の連作歌曲「詩人の恋」。第1曲目が「美しき五月に」。
明るいような、暗いような、そんな色彩の大人の曲です。恋の期待と不安に揺れ動く、微妙な心を表現しています。
内声の繊細な動きは、シューマンらしさ全開です。エンディングは「えっ?ここでこう終わるの?」という、心を何かを残すような印象を持つでしょう。

ほんの短い曲ですが、タイや多声、音楽的な表現、ペダルのタイミングも難しいです。レベルは中級程度になるでしょう。
使用楽譜→クラシックを弾きたくて 世界名歌編