『練習を続けていれば、ピアノはだんだん上手くなる』は事実です。
でも「上達の近道はないの?」「もっと自分で上達を実感したい!」と思っているなら、『パーキンソンの法則』を使わない手はありません。
今回は
- 『パーキンソンの法則』とは?
- ピアノ、英会話、ダイエット、成功に必要なことは同じ
- 上達のためには、具体的にどうすれば良いの?
など、『パーキンソンの法則』をピアノ上達に活かす具体的な方法を解説します。
『パーキンソンの法則』とは?
まず『パーキンソンの法則』とは、どういう法則なのでしょうか?
『パーキンソンの法則』は次の2つ
ビジネス書などでも、よく取り上げられる法則です。
英国の歴史学者・政治学者パーキンソンが提唱した法則で、次の2つからなります。
第1法則 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第2法則 支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
「ウィキペディア」から引用
もっと具体的な例にすると、「時間もお金も、あるだけ使ってしまう」。
心当たりありませんか?
私は…
もちろん、心当たりアリアリですよ〜〜!!
「締め切り」がないと、仕上がらない
こどもの頃は、宿題や定期テストがありました。
悪い成績では親や先生からからうるさく言われるし、「その日まで、どうにかしないと!」と頑張ったものです。
大人になってからも、締め切りは身近でしょう。
仕事や税務上の手続き…こども以上のプレッシャーで、なんとしてもカタチにして提出しなければいけません。
ところが、「仕事」ではなく「趣味」になると、強制的な締め切りはなくなってしまいます。
大人だからこそ、親も先生も誰も、うるさく言いません。
誰からのプレッシャーも無いのに、自力でがんばり続けられる『よくできた人』=『奇特な人』(・・?)は少数派。たいていの人は自分に甘いので、ゆる〜くサボってしまうもの。
やる気があったとしても、それがふつうです。
だって…にんげんだもの。
だからこそ、最初に「タイムリミット」を決めてしまわなくてはいけないのです。
売れっ子漫画家も、あの文豪も
現代の売れっ子漫画家も、ひと昔前の文豪も、編集者からの督促に追われながら原稿を書いていた、という話はよく聞きます。
先生、早く原稿ください!!
最初は自分の中からわき起こる情熱で創作をはじめても、外からのプレッシャーがなければ仕上がらないのは、いつの時代も同じかもしれません。
世界最古の小説を書いたと言われる紫式部も、書き続けるための外圧?があったのではないかなぁ〜と勝手に想像しています。
ピアノ、英会話、ダイエット。成功に必要なことは同じ
さて、大人が途中で挫折しがちなことと言ったら「英会話」に「ダイエット」。
成功させるには、自分で締め切り日を作る仕組みが必要だと考えています。
モチベーションに頼るな!仕組みを使え!
かなり本気で英語を勉強していた時期があります。
そのとき本やネットの情報でさんざん読んだのがコレ↓。
「モチベーションに頼るな!」
モチベーションは上がったり、下がったりするもの。ずっと上がっているなんて、都合の良いことはありません。
それを最初から知っていて『続けるための仕組みを作る』のが成功の鍵となります。
細かくゴール日を設定
具体的には、締め切り(ゴール)を細かく設定すること。
- 数値化して定点観測
- 定期的に第3者に見てもらう
こうした機会が短期的な目標になります。
大きすぎる目標、長すぎる締切日の設定は、効果的ではありませんのでご注意を!
ピアノ上達のために、具体的にはどうする?
では、ピアノの上達のために『パーキンソンの法則』を具体的にどう活かしたら良いのか?を考えてみましょう。
締め切り日を設定して「数値化して定点観測」は、英語のテスト、ダイエットや筋トレ(⚪︎キロ達成!)なら分かりやすい目標になりますが、ピアノには少々使いにくいと思います。
数値化しやすい「ピアノの練習時間」は、長さだけ伸ばしても無意味ですし、独学で「弾いた曲の数」だけ増えても質がともなっていなければ、実力が上がったとは言えないでしょう。
なので「定期的に第3者に見てもらう」を使うのがオススメです。
その場合も「曲が納得できるところまで出来たから、誰かに聴いてもらう」ではなく、先に日時を決めてから「その日に向けて、可能な限り仕上げる」という順番で締め切り日を上手く利用するのです。
発表会、弾き合い会
本番の価値は、経験者にはお分かりのことと思います。
「⚪︎月⚪︎日の本番までに仕上げる!」という強い意志で曲を深掘りしていく試行錯誤は、ピアノの実力を上げるのに一番効果的です。
PDCAサイクルを意識的に使うと、効果はさらに上がります。
ピアノの場合は、
Plan(それまでの練習)→Do(本番演奏)→Check(自己、他者からの評価)→Action(次に活かすための反省、改善)
になるでしょうか。
なによりも「弾いたら終わり」にしないことが、次につながります。
ピアノレッスン
「自宅では弾けていたのに、レッスンでは弾けなかった…」と落ち込んでしまう話をよく聞きます。
それって実は、悪いことではありません。
自宅のリラックスした演奏では現れなかった弱点が、レッスンという少し緊張する状態になって明らかになったのですから。
弱い部分がわからなければ、対策も立てようがありません。
それに、「レッスン日までに、この曲をできるところまで形にしていこう」の気持ちは、着実な進歩につながります。
ストリートピアノで弾く
ストリートピアノで弾くことに憧れを持って、ピアノを始めた大人の方もいらっしゃいます。
「この曲を弾けるようにして、ストリートピアノデビューしよう」も、目標の一つとして良いでしょう。
それも「いつか」ではなく、「旅行であの場所に行ったときに」など、具体的にする方がより効果的です。
インスタ、フェイスブック、YouTubeを利用
リアルに人前での演奏でなくても、ネット上で自分の演奏を公開するのもひとつの手です。
楽しみしてしてくれている知り合いがいたり、「ぜひまた聞かせてね」と声をかけてもらうのもモチベーションの維持に役立つはずです。
自分の話になりますが、アメーバブログでピアノ教室ブログを書いていた時期があります。
2020年に「ショパンの練習曲Op.10とOp.25の全24曲を12ヶ月で練習し、毎月末に演奏動画を公開する」という企画を思いつき、1月にはOp.10-1とOp.25-1の動画をアップ、2月にはOp.10-2とOp.25-2の動画をアップ…と1年かけて合計24個の演奏動画を公開しました。
あれも、分かりやすい締め切り日の設定と、第3者の目を意識したからこそ続けられたと思っています。
もしも自分の心の中で決めただけで、「こういう企画をやります!」と宣言していなかったら、適当なところで止めてしまった可能性が高いでしょう(現在、アメーバブログは削除済みです)。
まとめ
なにかを成功させるための方法は、仕事でも趣味でも、なにか普遍的なものがあると考えています。
「締め切り日ギリギリまで、仕上がらない」ならば「締め切り日があるから、仕上げられる」に上手く置き換えれば良いのです。
『パーキンソンの法則』の言葉を知らなくても、ものごとが上達していく人は、無意識にこの法則を使っているように感じます。
今回『パーキンソンの法則』をピアノ上達に活かすための方法で気に入ったものがあれば、ぜひ取り入れてみてくださいね。