「しっとりした雰囲気の曲も素敵だけれど速くてかっこいい曲もチャレンジしてみたいなぁ。でも難しそう…」と思っているピアノ初心者の方へ。
「ブルグミュラー25の練習曲」レベルの実力で弾けるクールなピアノ曲とおすすめ楽譜を3つ紹介します。ピアノ教室の生徒さんに人気の曲から選びました。
オクターブが出てこないので、手が小さい方も弾きやすいおすすめレパートリーです。
エンターテイナー/スコット・ジョプリン
まずは、スコット・ジョプリン「エンターテイナー」。
幅広い世代に知られている曲です。CMやショータイムのBGMとして、聞き覚えがある人も多いのでは?
スコット・ジョプリンはラグタイムで有名なアメリカの作曲家です。代表曲は「エンターテイナー」「メイプルリーフ・ラグ」など。気軽に楽しみたいときに聴きたい曲です。
人前でさらっと披露するのにもちょうど良いし、こうした曲は軽快な雰囲気が出ていれば、少しくらい間違えたってご愛嬌。きっと場が和みます(^-^)
使用楽譜→ドレミ楽譜出版社『おとなのためのピアノ小品集』〜バイエルからツェルニー30番併用〜
橋本晃一氏の編曲は原曲の雰囲気を活かしつつ、難しいオクターブの連続は単音に変えて弾きやすいアレンジです。曲の長さも短くなっています。
曲の構成はAメロ→Bメロ→Aメロ。シンプルなので練習もしやすいでしょう。
動画では、1カッコはすべて省略して演奏しました。また、最後の右手の単音は和音にして少し華やかになるように楽譜から変更しています。
ソルフェジェット/C.P.E.バッハ
2曲目はC.P.E.バッハの「ソルフェジェット」。
有名な大バッハ(ヨハン・セバスティアン・バッハ)の息子であるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの作曲です。
最初から最後まで嵐のように駆け抜ける、スピード感あふれるバロック時代の名曲です。
YouTube動画は、ゆっくりめテンポと少し速めテンポの2つのバージョンを入れています。生徒さんの練習の参考として作ったものです。
慣れてくれば、もっと速いテンポで演奏しても良いでしょう。
ちょっと聴いた感じでは「難しそう〜!(◎_◎;)初級レベルで弾けるの??」と感じるかもしれません。
実は、ソルフェジェットのメロディは右手と左手が一本の線でつながっていて、ほとんどが単旋律で構成されているのです。
いっぺんに複数の音を把握しなければいけない和音の曲とは違って、🎶ミドミソドミレド/シソシレソファミレ…と頭の中でメロディを歌いやすいので、意外と初心者にとって弾きやすい曲です。
もちろんテクニックの練習としても最適ですね。
使用楽譜→全音楽譜出版社 バロック名曲集 下巻
リベルタンゴ/アストル・ピアソラ
3曲目はピアソラの「リベルタンゴ」です。
大人世代であれば、お酒のCMに出演したヨーヨー・マのチェロが印象に残っているのではないでしょうか?
ピアソラの楽曲の中で「リベルタンゴ」がダントツに有名なのは、あのCMの影響かもしれません。
使用楽譜→ヤマハぷりんと楽譜 リベルタンゴこれは、夜の時間に聴きたい艶っぽい曲。大人に似合う曲でしょう。
初級から上級まで多くのピアノ編曲が出版されていますが、今回は「ヤマハぷりんと楽譜」の一番やさしいアレンジ譜を使用しました。
指の動きなど、テクニック上で難しいところはありません。弱拍に重みがくる裏打ち(シンコペーション)のリズムが特徴です。
古典的なクラシック音楽とは違ったタンゴ独特の雰囲気を表現するには、リズム感と慣れが必要です。
アストル・ピアソラは、アルゼンチンの作曲家です。代表曲は「オブリヴィオン(忘却)」「ブエノスアイリスの四季」「リベルタンゴ」など。「リベルタンゴ」の「リベル」は、自由という意味です。
ぜひピアノ以外の楽器の演奏や、ダンスと共に演奏されたものもYouTubeなどで聴いてみることをおすすめします。イメージが広がり、演奏にもプラスになります。
【まとめ】条件がそろえば初心者でも弾きやすい曲がある
今回は、初心者におすすめの「速くてかっこいいピアノ曲」を3曲紹介しました。
- 単旋律でメロディが歌いやすい
- 曲の長さが短い
- 一定のパターンが決まっていて、練習しやすい
などの条件で探すと、活発で難しそうに聴こえても初心者からチャレンジできる曲があるものです。
ふだんのレパートリーに加えて、こうした変化球のピアノ曲も弾けるようになると面白いと思います。ピアノ発表会や弾き合い会など人前での演奏も、きっと喜ばれるでしょう♪