【大人のピアノ入門】バーナムとギロックの2冊の教本から始めよう!

おすすめの楽譜、曲目
  • ちゃんと楽譜を読めるようになりたい
  • 基礎テクニックからしっかり身につけたい

そんなピアノ超初心者におすすめの楽譜があります。

バーナムピアノテクニックシリーズ「ミニブック」と「はじめてのギロック」です。

2冊の教本を併用することで、楽譜を読む力と最初のピアノレパートリーを手に入れましょう!

なぜバイエルではなく、バーナムなの?

よく知られたピアノの教本と言うと、まずバイエルが思い浮かぶ方も多いかもしれません。ここではバイエルよりもバーナムをおすすめしている理由を解説します。

バーナムピアノテクニックとは

バーナムピアノテクニックシリーズの楽譜

バーナムピアノテクニックは、棒人形のイラストとカラフルな表紙が印象的なアメリカの教本のシリーズです。

ミニブック(紫色)→導入書(だいたい色)→1(ピンク色)→2(緑色)→3(茶色)→4(水色)の順に、レベルが上がっていきます。1冊コンプリートするごとに達成感を得られるのも、うれしいですね。

超初心者のピアノ入門ならば紫色のバーナムピアノテクニック ミニブックから。

こどもの頃に少しでもピアノの経験があったり、独学である程度まで進んでいた方ならば、だいだい色のバーナムピアノテクニック導入書から始めても良いかもしれません。

赤色のバーナムピアノテクニック全調の練習はちょっと番外編です。この教本の効果的な使い方やメリットは、別の記事で詳しく解説しています↓

バーナムをおすすめしたい理由は

  • ミニブック1冊終わるのに半年かからない。1曲が短いので短時間でも練習できる
  • 曲が個性的で、タイトルとイラストからテクニックの狙いがわかる
  • ト音記号だけでなく、最初からヘ音記号も出てくる

バーナムは変化に富んでいるので飽きにくいです。

左右の手の交差、黒鍵もすぐに出てきて、初歩からトリッキーな動きを体験できるのも楽しいところ。ポップなイラストも気持ちを盛り上げてくれます。

「バーナムが苦手・嫌いです」という生徒さんには、いままで出会ったことがないです。みなさん楽しんで練習しながら上達していきます。

なにより適度な負荷で一冊やりきることができるので、達成感を得られます!

バイエルとは

それに対して、バイエルは19世紀から使われているドイツの教本です。バーナムと比較すると、むかしながらの堅苦しいイメージの練習曲です。

バイエルをおすすめしていない理由は

  • 106番まである。すべて終えるには何年もかかる
  • それぞれの曲が似ていてタイトルも無い。飽きやすい
  • 最初はト音記号の曲ばかり。ヘ音記号に苦手意識を持ちやすい

そのほか「バイエルが退屈でピアノが嫌いになった」「バイエルの途中で挫折した」という話を耳にしたことが数多くあります。

最後までやりきるに根性が必要なのが一番のデメリット。

【動画】バーナムミニブックはこんな曲です

生徒さんのレッスンの参考として、バーナムピアノテクニックミニブック全60曲をYouTubeで演奏しています。

その中から最初の2曲を解説してみます。

使用楽譜→バーナムピアノテクニック ミニブック

1曲目「歩こう」は、右手の親指(1の指)と人差し指(2の指)だけを使った曲です。

真ん中のド(1の指)とレ(2の指)を使います。『歩いている』イメージで、2つの指を交互に弾いていくシンプルな曲です。はじめは長さの違う指を交代に動かすだけでも、難しく感じるかもしれません。

2曲目「ホッピングしよう」は右手のドとレに加えて、左手の親指 (1の指)でドも使います。

スタッカート(短く切って)の練習です。『ホッピング』の題名の通り、はずんだ音になるように鍵盤を弾いてみましょう。

バーナムは1曲ごとの目的と、そこで身につくテクニックが明確です。

指を正確に動かすだけでなく、曲のタイトルとイラストからイメージをふくらませるのが練習の一番のコツ。

この教本は難易度順に並んでいます。最初から順番に進めていくのがおすすめです。

バーナムで基礎、ギロックで実践!

ピアノ入門の基本教材としておすすめの楽譜が、もうひとつ。ビギナーのための小曲集「はじめてのギロック」です。

ギロックはバーナムとは違って『練習曲』ではありません。人前で演奏するのための『ピアノ小品』としてレパートリーにしても良いでしょう。

2冊を併用することによって、初歩からの楽譜の読み方と効率的なピアノの演奏方法を同時に学んで行くことができるのです。

バーナムもギロックも20世紀のアメリカの作曲家・ピアノ教育者であり、はじめに身につけるテクニックの考え方が似ています。

2冊を使うメリットは、次の通りです。

  • ファーストポジション(親指の位置がド)が同じ。ドレミとドシラから覚えるメソッド
  • どちらも曲集も、はじめから両手をバランスよく使うことができる
  • 同じテクニックを『練習曲で学び』『曲で実践する』の2段階で身につける

「はじめてのギロック」にはピアノ入門レベルの実力で弾ける素敵な曲がたくさんあります。

優雅で美しい曲、楽しそうな曲、エキゾチックな雰囲気の曲、ちょっと不気味な曲?など、多彩な曲目がそろっています。

ぜひお気に入りのレパートリーを見つけてみてください(^_^)

【動画】はじめてのギロックはこんな曲です

「はじめてのギロック」は難易度順には並んでいません

一番やさしい曲はアクセント・オン・ソロ1「のぼっておりてキーボード」です。まずはこの曲から始めます。

そのまま「インディアンの雨乞いダンス」まで14曲、少しづつレベルが上がっていきます。

アクセント・オン・ソロ1の曲には、英語の詩がついています。詩から曲のイメージを持って演奏できると良いですね。

YouTube動画は難易度順ではなく、楽譜の収録順です。この曲集は現在少しづつYouTube更新中です。

使用楽譜→はじめてのギロック

本当にバイエルは使わないで大丈夫?やらないデメリットは?

ここまでバイエルよりもバーナムをおすすめしたいこと、そしてギロックを併用することのメリットを書いてきました。

でも、ピアノ入門教材として長い歴史をもつバイエル。「ほんとにやらなくても大丈夫?」「やらないデメリットはないの?」という疑問もあるかもしれません。

…やはり少々のデメリットもあります。

たとえば古典的なソナチネ・ソナタによくある左手「ドミソ/ドミソ」や「ドソミソ/ドソミソ」の伴奏形がバイエルではたくさん練習できますが、バーナムにはありません。

バーナムでは左手の伴奏が上手くなることよりも、両手ともメロディとして表情豊かに演奏することを、より大事にしています。

これはピアノのテクニックとして学ぶ順番、優先順位が違うだけです。

バイエルにしてもバーナムにしても、この教本だけでピアノの基礎テクニックがすべて学べるわけではありません。このデメリットは他の教材で補っていきましょう。

デメリットのもうひとつは、曲の難易度表との比較がわかりにくいかも…ということ。

ベートーヴェンの「エリーゼのために」やバッハの「メヌエット」は、どのくらいの実力になれば弾けるのだろう?そんな疑問を持ったとき『この曲はバイエル80番程度です』とバイエルの進度と比べるのは、わかりやすい基準として長年使われてきました。

バーナムピアノテクニックシリーズとのわかりやすい比較は、あまり見かけません。

なので、こんな記事も書いてみました。

こちらも参考にどうぞ。

早く読譜力を上げたいならグッズの活用も効果的

バーナムとギロックでは両手の親指(1の指)のドを中心に、左右に音が広がっていきます。曲のなかで弾いた音から着実に覚えていけば、ト音記号もヘ音記号も慣れていけるはずです。

もっと譜読み力を早く伸ばしたいなら【楽譜で音を読む】練習だけではなく、おんぷカードを使ってゲーム感覚で慣れていくのも良いでしょう。

初心者の生徒さんの中には、教室で使っているおんぷカードを自習学習用として購入されている方もいらっしゃいます。

初心者さんのレッスンではリズムカードや五線譜のマグネット、五線紙と鉛筆も使って多方面からのアプローチをしています。

いろいろな生徒さんを指導してきて感じることですが『楽譜のおんぷを読む』『おんぷカードの音を理解する』『指定のおんぷを五線紙に書く』の実力は、同時に伸びるわけではないようです。

おんぷカードの音を読めるようになっても、同じ音が楽譜に出てきたときにパッと弾けるか?というと、少々時間がかかったりします。

おんぷの位置(ドなのかラなのか?)だけでなく、おんぷの種類による見た目の違い(全音符なのか2分音符なのか?)という視覚情報も同時に処理する必要があるため、実際の楽譜を読むほうが難易度が上がるのです。

さくさくと楽譜を読めるようになるには、ある程度の時間はかかります。語学の習得と同じようなものでしょう。

楽譜を読めるようになる=音楽の世界言語を手に入れるというところも、同じですね。世界が広がります♪

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