長〜い酷暑が過ぎて、秋らしい気候となりました。この季節になるとレッスンでよく話題に出るのが、指先の乾燥の話です。
「指先が乾燥して、鍵盤で滑ってしまいます(>_<)…先生はハンドクリームを使ったり、特別にケアしていることはありますか?」
ある年齢以上の女性の生徒さんから、よくいただく質問です。
今回の記事では、秋冬の手指の乾燥対策とふだん気をつけていることを書いてみます。
手にはハンドクリームではなく化粧水を使っています
まず質問『ハンドクリームを使っていますか?』からお答えしますと、
ハンドクリームを手の甲に塗ることはありますが、手のひらと指先には使っていません。
指にクリームを塗ってしまうとベタついたり、汗と一緒になりヌルヌルしたりして、かえって鍵盤を弾きにくくなってしまうからです。
その代わり、手のひらと指には無印良品の化粧水を使っています。
もちろん手のための商品ではなく、本来は顔につけるための化粧水です。
高価なものではないので、顔だけでなく身体にも遠慮なく使ってそのまま手にも、という使い方をしています。
こちらは400mLの敏感肌用化粧水「しっとりタイプ」。手を洗うたび、ちょっと乾燥を感じるたび、手のひら側にも手の甲にもたっぷり使います。
ローソンでも購入できます。
たっぷり使っても自然なしっとり感で、そのまますぐピアノを弾いても大丈夫。
またアルコールフリーなので、鍵盤にも悪い影響がありません(鍵盤にアルコールはNGです。鍵盤を消毒するときはノンアルコールで!)。
乾燥対策は予防が大事、ふだん気をつけること
ハンドクリーム、化粧水より前に気をつけたいのが、手を寒さや乾燥から守ること。2つの手袋が必須です。
外気から守るための外出時の手袋。ピアノを弾かない人よりも手袋をはめている期間は長いです。ちょっと寒いかな?と感じるくらいの秋ごろから早めに使い始めて、春先まで長く使用します。
たしか去年の冬、風が冷たいある日のこと。。。
はじめての場所に行くのに、スマホのグーグル地図の操作で少しのあいだ手袋を外して外気にさらしていた時間がありました。あとで気がつくと、手袋を外していた右手だけ荒れてしまいました(>_<)
ほんの5分くらいの強烈な風による乾燥のために、右手の手荒れが治るのに数日かかってしまったのです。油断大敵!
もうひとつ、季節にかかわらず必要なのが、台所用のゴム手袋です。素手で洗い物をすることはありません。
特別なものではなくごくふつうのゴム手袋ですが、するとしないとでは大違い。
ピアノのためだけではなく、洗剤による手荒れはイヤですからね。
そもそも指が滑る原因は、他にあるかも?
生徒さんの質問から【手指の乾燥対策】について書いてきましたが、そもそもピアノの鍵盤で指が滑ってしまう原因は、手の乾燥だけではないはずです。
もともと指の打鍵が安定していない可能性があります。
『指を立てたほうが良い』とか『指は伸ばし気味で寝かせたほうが良い』などという、単純な話ではないです。曲が求める音色や、前後の音の並びによって適切な指のタッチは変わるからです。
そこに無頓着で「おんぷの鍵盤を押していく」という意識では、タッチに対する感覚は鈍くなります。それで、ちょっとしたことで滑ってしまうのだと思います。
自分のことで言うと、私は現在アラフィフです。むかしよりも指の乾燥を自覚しています。スーパーのビニール袋を開くときに苦労しなかったのが、いまは時間がかかることが増えました。まぁ、それは年齢によるので仕方のないこと…
それで、ピアノを弾く指が滑るのか?というと、乾燥する季節だからといって鍵盤が滑りやすいということは今のところ全くないです(冬の寒い日に手が温まるまで指の動きが悪いのは、また別の話)。
もしかすると5年後、10年後に自分の体験で感じることは変わってくるかもしれませんが、その時はその時。改めてこのブログ記事に追記したり、対策を考えて書き直したりするかも??