ピアノで弾くバッハ【G線上のアリア】難易度別おすすめ楽譜3選

選曲ガイド

バッハの「G線上のアリア」Air On the G Stringは、癒しを感じるクラシックとしてよく名前が上がる名曲です。

BGMとして使われるシーンも多いため、その荘厳な響きを無意識のうちに耳にしていることも多いはず。

もともとは菅弦楽のために書かれた曲ですが、ピアノソロでも多くのアレンジが存在する人気曲です。

今回は「G線上のアリア」の解説と、初級〜中級のおすすめのピアノアレンジを3つ紹介します。

ドラマ『G線上のあなたと私』

「G線上のアリア」は映画や結婚式・卒業式の場面でも定番ですが、ここ最近では漫画を原作としたドラマの影響もあって、曲の知名度を一気に上げました。

ドラマ『G線上のあなたと私』は、大人のバイオリン教室を舞台とした2019年のドラマです。

主人公が「バイオリンを弾きたい!」と思うきっかけが、ショッピングセンターで聴いた「G線上のアリア」の生演奏なのです。

同じ大人の音楽教室でたまたま出会った3人が、それぞれの過去や現在に葛藤しつつ続けるバイオリンのグループレッスン…

大人から楽器を始めるのってどんな感じだろう…と考えているなら、共感ポイントがあるかも?

2025年1/3現在、Tverで視聴できます。ドラマ第1話冒頭からヴァイオリンとピアノによる「G線上のアリア」の演奏が聴けます。

ちなみに、この冒頭のバイオリンとピアノの生演奏は原曲のニ長調ではなくハ長調。すぐそのあとにBGMとして流れるのは、原曲の調であるニ長調アレンジです。

わざと変えたのかな??

そもそも『G線』って?原曲は?

G線とは、バイオリンの弦のひとつ

『G線』とは、バイオリンの4つ張られている弦のうち一番低い音が出る弦です。そのまま演奏するとG=ソの音が出ます。

4つの弦は低いほうから♩G、D、A、E→ソ、レ、ラ、ミという5度の音程で並んでいます。

↑白水社「図解音楽辞典」より

原曲と「G線上のアリア」の曲名の由来

原曲はD dur ニ長調です。

「G線上のアリア」とは…

バッハの管弦楽組曲第3番ニ長調の第2曲《エア Air》をヴィルヘルミがヴァイオリンのG線だけで奏するように編曲したもの

音楽之友社「標準音楽辞典」より引用

エア Airは英語の読み方で、イタリア語では「アリア」、フランス語では「エール」です。

よく知られた「オペラアリア」と同じ意味で、このようにソロとしてメロディが印象的な器楽曲に「アリア」が使われることもあります。

おまけ〜『G戦場のアリア』と誤変換されたことも(^^;;

ずいぶん前のことになりますが、某デパート友の会のティータイムコンサートで、ヴァイオリンとピアノで「G線上のアリア」を演奏したことがあります。

お客さまに配られたプログラムを見てみると『G戦場のアリア』という、まるで戦場の鎮魂歌?のような曲名となっていました!(◎_◎;)

映画などでは悲しいシーンで流れることもある曲ですが、そういう曲ではありませんっ!

おそらくクラシックに詳しくない担当者に誤変換されて、そのまま印刷されてしまったのでしょうね(^^;;

【初級】クラシックを弾きたくて2より

クラシックを弾きたくて2に収録の「G線上のアリア」は、ハ長調です。

使用楽譜→クラシックを弾きたくて2(やさしく弾けるピアノ・ソロ) ケイ・エム・ピー

「クラシックを弾きたくて」シリーズのアレンジはどれも難しすぎず、短めにまとめられています。

この「G線上のアリア」アレンジは、ブライダル仕事のBGMとしてよく弾いていました。

楽譜は16分おんぷが多いため、複雑で難しそうに見えるかもしれませんが、今回紹介する中では一番やさしいアレンジです。装飾音符なしで演奏しても良いでしょう。

ブライダル演奏では弾くことだけに集中できません。お客さまの動きを横目で見つつ、いつどのタイミングでも曲をきれいに終わらせる必要があるのです。そのため、あまり難しくないアレンジを選んでいました。

こちらは左手のベース音が順次進行で弾きやすく(鍵盤をほとんど見ずに演奏できるので)、楽譜もギュッと1ページにおさまり、使い勝手の良いアレンジでした。

【初中級】ヤマハ クラシック名曲50選より

ヤマハの「クラシック名曲50選」は非売品です。ヤマハの電子ピアノを購入すると、付録として無料でついてくる楽譜です。

楽譜は赤でも青でも、収録曲は同じです。良い曲がたくさん入っていますので、もしお持ちでしたらご活用ください。

原曲と同じD dur ニ長調。調子記号はシャープ♯2つです。

楽譜はパラパラとしてやさしそうに見えるかもしれませんが、左手のベース音が1音ごと上下に動くのが初心者にとって難しく、音を外しやすいポイントです。

使用楽譜→ヤマハ クラシック名曲50選

まったく余談ですが、YouTube動画の中盤ごろ、ガラス窓の向こうの塀の上をネコ(=^ェ^=)が右から左へ通り過ぎます。部屋の様子をうかがって一瞬立ち止まるのが、ブラインド越しにうっすら見えます…

【中級】きらきらピアノ おとなの名曲集 クラシック レベルCより

きらきらピアノ おとなのピアノ名曲集 クラシック レベルC(中級)の「G線上のアリア」も、原曲と同じニ長調。

編曲は轟千尋氏。すてきな響きの、おすすめアレンジです。

中声部は右手と左手を行ったりきたりします。こうしたポリフォニーの曲を学んだことのある、中級者向きでしょう。

使用楽譜→きらきらピアノ 大人のピアノ名曲集クラシック レベルC 全音楽譜出版社

きらきらピアノ おとなのピアノ名曲集シリーズの特徴は、分かりやすくて具体的な解説付き(演奏のポイント・アドバイス)と、大きくて見やすい楽譜ということ。

ほかの収録曲はラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」やラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏」(ハ長調アレンジ)など、大人に人気の曲ばかりです。

タイトルとURLをコピーしました