ピアノ発表会におすすめ【花のクラシック曲】入門から中級レベル6選

おすすめの楽譜、曲目

春ですね。花の季節がやってきます。

ピアノ曲にはさまざまな「花」の名曲があります。かわいらしく素朴な花、悲しい伝説の花、華麗に咲きほこる花…あなたはどんな花が好みでしょうか?

今回はクラシック定番の人気曲から『花』の名曲を紹介します。発表会や弾きあい会におすすめです。

入門レベル、初級レベル、中級レベルまで難易度がやさしい順に並べてみました。

【入門】ギロック「スイレン」

1曲目は入門レベルで弾けるおしゃれな曲、ギロックの「スイレン」です。「はじめてのギロック」に収録されています。

ギロック「スイレン」

スイレンが水の上で揺れているような不思議な響きが特徴的で、難易度のわりに聴き映えする小品です。

メロディがシンプルなので初心者でも弾きやすく、演奏時間も1分程度と短いです。

両手の交差の練習にも良いでしょう。楽譜に記載のとおりペダルをたっぷり使って演奏したい曲です。

「はじめてのギロック」は、大人のピアノ入門で最初におすすめする2冊の教本のうちの1冊です。

【初級】ブルグミュラー「やさしい花」

2曲目は、ブルグミュラー25の練習曲より「やさしい花」。25曲の中の10番目に収録されています。

ブルグミュラー「やさしい花」少しゆっくり、ペダルなし

ブルグミュラーは「やさしい花」で、具体的にはどんな花をイメージして作曲したのでしょうか?そんなことを想像しながら弾いてみました。

ブルグミュラー25の練習曲は、ピアノ学習者にとって定番となっている教本です。それぞれの曲に練習の狙いがあります。「やさしい花」では前打音(装飾音)や、右手と左手の応答を曲のなかで学ぶことができます。

とは言っても、指の練習のためだけの『練習曲』と思ってはモッタイナイです!25曲すべて人前での演奏に向いている素敵な曲集です。

【初級】ストリーボッグ「すみれ」

3曲目は、ストリーボッグ作曲「すみれ」。ブルグミュラー25の練習曲中盤あたりの実力で演奏できます。

ストリーボッグ「すみれ」

ストリーボッグは、ピアノ初級の教育的小品をたくさん書いた作曲家です。「すみれ」は楽しい雰囲気の素朴なワルツです。

18小節からの右手にオクターブの連続があります。手の小さい方は、少々きついと感じるかもしれません。下の音は省略して上の音だけにしても良いでしょう。演奏するのが楽になります。

オクターブの部分は省略されている楽譜も、出版されています。

↑写真は上がピアノ名曲110選グレードA、下がドレミ楽譜出版社「おとなのための中級ピアノ曲集 バロックから近代まで」です。

ピアノ名曲110選グレードAの難易度は『バイエル後半からソナチネ・アルバム程度の初級向き』となっています。

「おとなのための中級ピアノ曲集」は『中級』と楽譜のタイトルに付いていますが、実際は中級よりもやさしい曲が多い印象です。

ピアノ曲の難易度の感じ方は人それぞれ。万人が納得する難易度表は存在しません。難しい問題ですねσ^_^;

【初級】リヒナー「忘れな草」

4曲目は、リヒナーの「忘れな草」。物悲しいメロディが印象的な曲です。こどもよりも大人に人気の一曲です。

リヒナー「忘れな草」

リヒナーもストリーボッグと同じように、初級のピアノ学習者のためのやさしい曲をたくさん残した作曲家です。

技術的に難しいところはとくにありません。ただ、4ページとそれなりの曲の長さがあります。初級のレパートリーは短めの曲が多いので、はじめて長めの曲にチャレンジしたいときにも良いでしょう。

「忘れな草」は「忘れな草伝説」をもとにした曲とされています。

忘れな草伝説とは…

恋人から「あのかわいい花をとって!」とせがまれた青年が、崖におりて花をつかもうとした時、足をふみはずして崖下におちてしまします。「私のことを忘れないで…」という言葉をのこして息をひきとった、という伝説もあります。

ピアノ名曲110選GRADE A 曲目解説より

曲の半ばで転調して明るくなる場面があります。過ぎし日の楽しかった想い出を表現しているのかもしれません。

ピアノ名曲110選Aでは「すみれ」の次に収録されています。対照的な曲調の「花」の2曲。両方とも弾いてみるのも良いでしょう。

【初中級】マクダウェル「野ばらに寄す」

5曲目は、マクダウェルの「野ばらに寄す」。

難易度が少しだけ上がります。ブルグミュラー25の練習曲を修了する実力が付いてからチャレンジしたい曲ですね。

9度(オクターブ以上)を同時に弾く場面があります。2曲目の「すみれ」のオクターブ部分は省略して単音にしても構いませんが、「野ばらに寄す」の9度の響きはぜひ欲しいところです。

繊細なペダル使いも必要になります。控えめで、はかなげな美しさを持った小品です。

マクダウェル「野ばらに寄す」

以前のブログ記事「ピアノで弾く『野ばら』の名曲3選〜シューベルト、ウェルナー、マクダウェル」でも取り上げた曲です。

この曲もピアノ名曲110選グレードAに収録されています。

【中級】ランゲ「花の歌」

最後の6曲目はランゲの「花の歌」です。ピアノ名曲集には必ず収録されている人気曲です。

ランゲ「花の歌」繰り返し省略

ランゲが具体的にどの花をイメージしていたのかは不明です。でも、これまで紹介してきた5曲とは違って、自分の美しさをはっきりと自覚しているセレブな?「華やかな花」だろうと想像しています。

アルペジオを含む多彩な装飾が使われていて、曲の優雅さを引き立てています。

たとえば曲の冒頭4小節目の右手のアルペジオの和音は、花が開いていく場面のBGMに似合いそうだなぁと思いながら弾いています(YouTube動画13秒あたり)。

昭和の少女マンガの登場人物は、意味もなく背景に花を背負っていることがよくありましたが(ご存知でしょうか?)そんなイメージかな…

ピアノ名曲110選グレードBに収録されています。

グレードAよりも難易度は上になります。『ソナタ・アルバム、ツェルニー30番程度の中級向き』のレベルです。

とは言っても「想像したほど、意外と難しくなかった(^_^)v」と、生徒さんから言われることも多い曲です。

ピアノにとって弾きやすいテクニックがふんだんに使われています。ピアノ発表会の定番なのは、練習の労力に比べて演奏効果が高いからなのです。

曲を聴いたイメージや楽譜の見た目よりも、実は楽に弾けるかもしれませんよ(^ ^)

まとめ

今回は「花」の定番曲を6つ紹介してみました。どれも大人が演奏するのにおすすめの名曲ばかりです。

今から練習を始めると、花盛りの季節にちょうど良い仕上がりになるかもしれませんね(^_^)

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