小学校1年生でピアノ教室に通い始めたとき、はじめて使った楽譜「メトードローズ・ピアノ教則本〜ピアノの1年生」。
懐かしい思い出がある、ちょっとレトロなピアノ入門書です。
今回は、世界中で愛されているピアノ教本「メトードローズ」の難易度や収録曲の特徴、学べることについて解説してみます。
「バイエル」「バーナム」「メトードローズ」を比較
ドイツ、アメリカ、フランスとそれぞれ違う国の教本です。
ピアノ入門期になにを重視しているのか?が違っていて面白いです。
ドイツのピアノ入門書「バイエル」
「バイエル」は、ドイツのピアノ入門書。ドイツのフェルディナント・バイエル氏が作ったものです。
「子供のバイエル」や「大人の独習バイエル」など、多くの種類のバイエルが各出版社から出版されています。
日本では、ピアノ入門書の定番としての知名度はナンバーワン。ピアノを習ったことのない人でも「バイエル」の名前だけは聞いたことがあるかも?
曲名がなく、番号のみ。左手が古典でよく使われる伴奏形の練習といった曲が多い傾向です。
似たような練習が続くため、飽きやすいのが欠点。「途中で挫折した…」という経験談もよく聞きます。
アメリカのピアノ入門書「バーナム」
「バーナム」は、アメリカのピアノ入門書。アメリカのエドナ・メイ・バーナム氏が作ったものです。
スポーツを連想させる曲名と棒人形のイラストが楽しい、練習曲集です。
バーナムシリーズは何冊もあります。対象は入門レベルから、中級レベルの人でも一筋縄ではいかない難易度まで。
自分の場合は入門教材としてではなく、足りていないテクニックを補う目的でバーナムピアノテクニック1からバーナムピアノテクニック4までを学習しました。小学校高学年か中学生の頃だったかな?
バーナムシリーズでは、両手を同等に使えるようにするのが重視されています。
「バーナム」と「バイエル」の比較はこちらの記事で書いています↓
フランスのピアノ入門書「メトードローズ」
「メトードローズ」は、フランスのピアノ入門書。フランスのエルネスト・ヴァン・ド・ヴェルド氏が作ったものです。
世界中でピアノ入門書として使われています。
難易度としては、入門レベルから初級レベルの入り口程度まで。最後の曲「お人よしの王様」も、それほど難しくはありません。

左ページは指のための練習曲、右ページは愛嬌のあるイラストと題名のある曲が配置されています。
「バイエル」「バーナム」と大きく違う点は、右ページの曲は『発表会などで演奏する曲としても使える、楽しい曲や美しい曲がある』ということです。
メトードローズには、こんな曲が収録されています
メトードローズ・ピアノ教則本の収録曲の特徴を紹介します。
よく知られたメロディの曲
フランスの古い童謡や民謡が取り入れられています。
飛べ!小さな蜜蜂よ!
日本では「ぶんぶんぶん はちがとぶ」でおなじみのメロディです。
ほかに「月の光に」「かっこう鳥」「冬さん、さようなら!」などピアノ入門には欠かせない曲も。
テクニックや譜読みの基礎を学べる曲
ピアノの基礎として大事な指のテクニックや譜読みのルールを、段階的に身につけることができます。
そら!人形が踊る
右手だけでなく、左手が主役となるポリフォニーの曲です。
コンクールの課題曲にも選ばれている
メトードローズの曲は、過去に何度もコンクールの課題曲(入門レベル)に選ばれています。
シンプルな中にもフレーズや拍の感覚を的確にとらえて、音楽的に表現できるか?を見るのに最適な曲が多いからでしょうね。
チロルの歌
民族的な踊りの音楽です。3拍子によくあるパターンの左手伴奏形、終止が出てきます。
2022年の【新版】で変化したこと、変わらないこと
日本で「メトードローズ」を出版しているのは音楽之友社だけです。そして「メトードローズ」を広めたのは、ピアニストでありピアノ教育者の安川加壽子氏。
安川氏の生誕100年を記念して刊行されたのが、下の写真左側の新版です。

楽譜のサイズが小さくなった
新版では、楽譜のサイズが小さくなりました!
以前の版は、ふつうの楽譜の大きさよりもちょっと大きめで、これがちょっと厄介だったんです。
本棚でも出っ張るし、バッグに入れて持ち歩くのにも楽譜の大きさのせいで角が痛みやすくて…
ほかの楽譜と同じ大きさになったことは、ありがたいです!
ちなみに、小さくなって楽譜が読みにくくなった(*_*)なんてこともないので、大丈夫です。
解説、曲名の漢字表記、目次など
旧版と比べて、少しだけ曲目の解説が増えています。
曲名は「いなかの踊り」→「田舎の踊り」のように、漢字になったものも。

旧版にはなかった曲目のもくじが加わって、使い勝手が良く便利になりました。

旧版はホッチキスでとめていたので、使っているうちに外れてバラバラになりがちだったのが、新版は製本のやり方が変わって長い使用に耐えられるようになりました。
イラストと曲の収録ページ
いかにもレトロなイラストは変わらず。

こういうのって、意外とインパクトがあって曲の雰囲気をイメージしやすいんですよね。
曲目のページ番号も旧版とそろえられています。
地味にうれしいポイントです!オンラインレッスンで、生徒さんと先生が持っている版が違っていても、そのままレッスンが出来ます。
YouTube動画と【おまけ】のツッコミ
YouTube再生リスト
現在、メトードローズ・ピアノ教則本の再生リストを更新中です。
収録順に、題名の付いている全48曲を収録予定です。
イラストのペダル、おかしくない??
楽譜のはじめのほうに『ピアノを弾くときの正しい姿勢』のイラストが載っています。

かなり時代を感じさせるイラストです。
この女性が右足で踏んでいるペダルが、どこか変なんですよね…

- このピアノのペダル、いったい何本あるの?
- ふつう右足で右端のペダルを踏むはずなのに、位置おかしくない?
と、旧版を使っていた子どもの頃からず〜っと疑問に思っていました。
新版でも変わらず、まったく同じイラストが採用されています^^;

