知っておきたい【ピアノの譜面台】の調節の仕方

ピアノ雑談話

レッスンや本番の時に、楽譜を見にくそうに苦労している生徒さんを見かけることがよくあります。

「もしかして譜面台の位置、角度の調整の知識がない人も多いのかも?」と気がつきました。

今日の記事では、

  • グランドピアノの譜面台はこの2ヵ所で調整する
  • 暗譜の本番は譜面台を倒すものなの?
  • 譜面台に穴が空いていることがあるのは、なぜ?

など【グランドピアノの譜面台の豆知識】を書いてみます。

楽譜の見やすさは譜面台の角度、位置によって大きく左右されます。

知っておくと、本番のパフォーマンスも上がるかもしれませんよ🎶

譜面台の調節は何のため?

ご自宅のアップライトや電子ピアノの練習するときは、いつも通りの角度と見え方ですよね。何も調節せず、すぐ弾き始めることと思います。

しかし、本番やピアノ教室のグランドピアノの場合は複数の人が使用します。譜面台の状態は『前に使っていた人』にとって楽譜が見やすい位置です。自分にとってのベストとは違うことが多いでしょう。

個人の体格や視力によって、適切な譜面台の位置は変わります。

また楽譜の紙質と照明の相性が悪いと、光の反射によって音符が見にくくなってしまうこともあります。そうした場合も、譜面台の角度を調整することによって見にくさが改善されるかもしれません。

調節できるところ、できないところ

譜面の角度

グランドピアノの譜面台は、角度を変えることができます。

ギザギザになっているミゾの位置で、角度を調整します。

左は角度を緩やかにしたセッティング、右は緩やかにしたセッティングです。

ピアノ機種によって形状は少し違うかもしれませんが、基本の構造は同じです。この写真の譜面台は4段階に角度を調節することができます。

譜面の距離

譜面台を奥に押したり、手前に引き出したりして距離を変えることができます。

まだ譜読み状態で『楽譜をガン見しながら弾きたい』のならば、手前ギリギリまで引き出した方が良いかもしれませんね。

注意点として、この動作は左右バランス良く行うこと。片側だけ押したり引き出したりしてしまうと、斜めになって動かなくなってしまうことがあります。  

写真の丸を付けた辺りにそれぞれ手を添えて、両手で平行に動かすようにしましょう。

譜面の高さ

電子ピアノやアップライトピアノの譜面台は低く、目からも近い位置に固定されていることが普通です。

ふだんの自宅練習でこうしたピアノに慣れていると、高い位置にあるグランドピアノの譜面は見にくいと感じることも多いようです。

グランドピアノの譜面台は『角度』と『距離』はある程度の調整ができても、『高さ』はまったく調節できません。

こればかりは『慣れ』しかないですね…

暗譜で弾くとき、譜面台はどうする?

すべて暗譜の場合

出演者がすべて暗譜(楽譜をまったく見ないで覚えて弾くこと)で演奏する本番のピアノは、はじめから譜面台は外してあることが多いです。

出演者によって違う場合

複数の人が演奏する発表会、弾きあい会などでは、暗譜の人もいれば楽譜を見て弾く人もいるでしょう。

そんなときは譜面台そのものを外すのではなく、暗譜の人の時だけ不必要な譜面台を完全に後ろ側に倒すことが多いです。いったん譜面台そのものを外してしまうと、もとに戻すのには手間も時間もかかるからです。

暗譜で弾くとき、譜面台は倒さなくてはダメ?

ご本人が良い、ということなら暗譜の演奏でも譜面台は立てたままで構わないのですが…できれば倒すことをオススメします。

それには2つ理由があります。

  1. 響きをさえぎるモノがないので、自分の音をより明確に聴ける
  2. 鏡面仕上げの譜面台には、自分の姿が映ることがある!(◎_◎;)

理由1の「自分の音をよりよく聴ける」は、実際に違いを試してみると良いでしょう。

譜面台を少し奥に押し込むだけでも、自分の耳に届く音量は大きくなります。譜面台は完全に倒した方が、音色をストレートに感じることができます。

理由2の「鏡のように自分の姿が映ることがある」は経験談です。

本番でうっかりそのまま弾き始めたところ、弾いている自分の姿が反射してしまい、気が散ってしまいました。譜面台を倒してから弾き始めなかったことを後悔しながら、演奏を終えました(~_~;)

譜面台に穴が空いていることがあるのは、なぜ?

グランドピアノの機種によっては、譜面台に穴が空いています。

「これって飾りのため?」と思うかもしれませんが、さきほどの理由「音を演奏者に飛ばすため」です。ピアノ弦からの音が譜面台の穴を通って、より演奏者に届くのです。

まとめ【すべては慣れと経験】

楽器の中でピアノが独特なのは、本番やレッスンでは『自分のものではない楽器』を演奏すること。個体差のあるピアノに数多く触れることで、大事な本番でも実力を発揮できるようになります。

譜面台の扱い方も、結局は『慣れ』です。少しづつ経験値を増やしていきましょう。

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